○豊浦町文化財保護条例

昭和63年3月10日

条例第3号

(目的)

第1条 この条例は、豊浦町内に所在する文化財のうち、国又は北海道(以下「道」という。)の指定するものを除き、豊浦町(以下「町」という。)にとつて、重要なものを保存及び活用するために必要な措置を講じ、もつて町民文化の向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例で「文化財」とは、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第2条第1項各号に掲げる有形文化財、無形文化財、民俗資料及び記念物をいう。

(所有者などの協力)

第3条 町民及び文化財の所有者又は権原に基づく占有者(以下「所有者等」という。)は、文化財が貴重な町民の財産であることを自覚し、その保全に努めるとともに、文化的活用に協力しなければならない。

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第4条 豊浦町教育委員会(以下「委員会」という。)は、この条例の施行に当つては、関係者の所有権、その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

(文化財審議会)

第5条 委員会の諮問に応じ、文化財の保存及び活用に関する専門的事項を調査及び審議するため、豊浦町文化財審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会の委員(以下「委員」という。)は、7人以内をもつて組織し、学識経験を有する者のうちから委員会がこれを委嘱する。

3 委員の任期は2年とし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(指定)

第6条 委員会は、町内に所在する文化財のうち、町にとつて特に文化的価値が高いと認めるものを、豊浦町指定文化財(以下「町指定文化財」という。)に指定することができる。

2 委員会は、第1項の規定により指定をしようとするときは、あらかじめ指定しようとする文化財の所有者等の同意を得なければならない。ただし、所有者等が判明しない場合はこの限りでない。

3 委員会は、無形文化財を指定するに当つては、その保持者又は保持団体を認定しなければならない。

4 委員会は、第1項の規定により指定をしようとするときは、審議会に諮問しなければならない。

(解除)

第7条 委員会は、町指定文化財が次に掲げる各号の一に該当するに至つたときは、その指定又は認定を解除することができる。

(1) 滅失したとき。

(2) 著しくその価値を失つたとき。

(3) 国又は道の指定を受けたとき。

(4) 町の区域外に移つたとき。

(5) その他委員会が必要と認める理由が生じたとき。

2 前項の規定による解除には、前条第4項の規定を準用する。

(告示及び通知並びに効力の発生)

第8条 委員会は、第6条の規定による指定又は、前条の規定による指定の解除をしたときは、その旨を告示するとともに、所有者等に通知しなければならない。

2 第6条の規定による指定又は前条の規定による指定の解除は、前項の規定による告示があつたその日から、その効力を生じる。

(所有者等の管理義務)

第9条 町指定文化財の所有者等は、この条例並びにこれに基づく規則及び委員会の指示に従い、その文化財を管理し、適正な保存に努めなければならない。

(所有者等の変更)

第10条 町指定文化財の所有者等が変更したときは、新たな所有者等は、すみやかにその旨を委員会に届け出なければならない。

2 町指定文化財の所有者等が、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、すみやかにその旨を委員会に届け出なければならない。

3 町指定文化財である無形文化財の保持者が死亡し、又は保持者として自ら不適当とみなしたときは、相続人又は保持者は、すみやかにその旨を委員会に届け出なければならない。

(滅失、損傷等)

第11条 町指定文化財の全部又は一部が滅失・損傷又は亡失し、若しくは盗難にあつたときは、所有者等は、直ちにその旨を委員会に届け出なければならない。

(現状の変更)

第12条 所有者等が町指定文化財の現状を変更しようとするときは、あらかじめ委員会の許可を受けなければならない。

2 委員会は、前項の許可をするときは、必要な指示を与え又は条件を付することができる。

3 第1項の許可を受けた者が、前項の指示又は条件に従わないときは、委員会は現状の変更の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

(修理)

第13条 所有者等は、町指定文化財を修理しようとするときは、あらかじめ委員会にその旨を届け出なければならない。ただし、前条第1項の規定により許可を受けた場合は、この限りでない。

(調査・報告等)

第14条 委員会は、必要があると認めたときは、所有者等の同意を得て町指定文化財を調査し、又はその管理の現状について報告を求めることができる。

(公開)

第15条 委員会は、町指定文化財の所有者等に対し、委員会の行う公開の用に供するため、当該町指定文化財を出品することを勧告することができる。

2 前項の規定による公開により、その文化財が滅失・損傷又は亡失し、若しくは盗難にあつたときは、町は、所有者等に対し損害を補償する。ただし、所有者等の責に帰すべき理由によるときは、この限りでない。

(管理又は修理の補助)

第16条 町指定文化財の管理又は修理につき、多額の経費を要し、所有者等がその負担に堪えない場合には、町は、所有者等に対し予算の範囲内で必要な条件を付し、その経費の一部を補助することができる。

(補助金の返還)

第17条 前条の補助金の交付を受けた者が、次の各号の一に該当するときは、町は、補助金の全部又は一部を返還させることができる。

(1) この条例及びこれに基づく規則並びに委員会の指示に違反したとき。

(2) 補助金の交付を受けた目的に反する行為があつたとき。

(3) 補助金の交付を受けた文化財を有償で譲渡したとき。

(保存施設及び保存地域の設定)

第18条 委員会は、町指定文化財の保存のため、必要があると認めるときは、所有者等その他関係者の同意を得て、保存施設又は保存地域を定めて一定の行為を制限し、若しくは禁止し、その他保存に必要な措置を講ずることができる。

(規則への委任)

第19条 この条例の施行について必要な事項は、教育委員会が定める。

この条例は、公布の日から施行する。

豊浦町文化財保護条例

昭和63年3月10日 条例第3号

(昭和63年3月10日施行)