町長からのそよ風だより(新春号-「夢と希望の持てる5年後~10年後のまちづくり」を目指して‐)
2018年1月1日
新年明けましておめでとうございます。
町民の皆様には、平成30年の輝かしい新春をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。また、昨年中は町政運営に対しまして、ご理解・ご支援を賜り、重ねて深く感謝とお礼を申し上げます。
新春の始まりにあたり昨年を振り返りますと、子育て支援として新たに学校給食費の1/2助成事業を実施し、環境整備として大岸保育所新築工事・大岸小学校や豊浦中学校のトイレの洋式化に着手いたしました。高齢者対策としては、福祉灯油給付事業や配食サービス事業等を継続実施してきましたが、Aコープ豊浦店が昨年6月末をもって閉店したことを踏まえ、今後の町民生活を捉えながら引き続き商工会や関係団体等との協議を進めてまいります。
さて、豊浦町は昨年町制施行70年を迎えましたが、これまで農林業・漁業の一次産業を中心に発展し、1960年には人口10,439人を数えるにいたりました。しかし、その後社会的減少が続くとともに、1981年からは自然減少が加わり、昨年11月末には4,099人となっております。
国では、人口減少による地方消滅論を受け地方創生を打ち出し、地方自治体に対しやる気のあるなしによる支援を明確にしており、さらに大変厳しい財政状況から地方交付税交付金の削減や補助金等の縮減を行ってきているのが現状であります。豊浦町が地方自治体「豊浦町」として生き残りをかけ存続していくためには、従前のような政策・施策だけではなく、しっかりとした方向性を見極め施策を実行し、稼がせる地方自治体を目指す必要があり、そのためには町民の皆様は無論のこと、産業団体や議会・町執行部が共通理解の下、連携・協力して取り組んでいかなければなりません。今後も農林業・漁業など一次産業のさらなる振興と「食と観光」、「再生可能エネルギー」を軸とした新分野での産業の創造と振興により、それらによる他用の創出と結果としての人口減少の抑制であります。
農業においては、継承者や担い手不足などにより農家戸数が減少し、休耕地や耕作放棄地が増えていますが、数年前より研修者や新規就農者が増加し、成果が表れる状況となってきております。これらをスピード感をもって推し進めるため、旧大岸鉱山分校を活用した拠点整備を進め、特に商標登録されている特産品の「豊浦いちご」を守り・発展させるとともに、耕種農業を含め農業全般を振
興発展させる必要があります。
また、畜産においては、国の支援を受けながら効率的な施設整備を継続的に進めるとともに、ふん尿処理や飼料確保に係る作業が大きな負担にもなっていることから、そのふん尿をバイオガス発電事業に活かし、作業効率とより安全安心な農作物生産と肥料経費削減による安定的な経営につながるよう努めてまいります。
水産業においてその主たるものは、ほたて貝養殖であり、一昨年、噴火湾ほたて貝養殖発祥の地として50 年を迎えました。しかし、慢性的な人手不足等からより効果的・効率的な機械・施設整備などが求められており、その環境整備に努めてまいりました。今後とも、豊浦町の水産業全般の発展を期し、漁協をはじめ関係機関と連携して取り組んでまいります。
「食と観光」につきましては、国内はもとよりインバウンドなどにより目覚ましい発展が続いております。従来の観光地ばかりではなく今やその地域だけの特色ある食材や自然環境、歴史・文化、体験型など多種多様な商品を求められております。
豊浦町においては、強みであるいちご・ほたて・豚肉をはじめ農水産業の特色ある食材を活かし、付加価値を高めた安全・安心な食材と日本一の秘境駅である「小幌駅」やジオサイトである「小幌洞窟」また、「インディアン水車公園」や「しおさい」、「道の駅」など、多くの資源があるにも関わらず活かしきれていない現状にあります。今後は、これらの豊かな資源を活用し、売るための活動や売れる仕組みづくりとして早急なDMO(地域の稼ぐ力を引き出すとともに、舵取り役としての法人)組織づくりに取り組んでまいります。
再生可能エネルギーについては、化石燃料等の二酸化炭素による地球温暖化が世界的な懸案事項となっており、次世代に負の遺産を残すべきではないと思っております。豊浦町においては、民間による太陽光発電事業の整備が進められています。町としてもバイオガス発電事業の整備を進めており、循環型社会の構築と新たな産業の創造と雇用の創出を図ってまいります。
現在推進している事業は、即効果が表れることは難しいものがありますが、5年後、10年後将来を見据えた事業であることをご理解いただきたいと思っております。今後とも、進展する高齢化社会に的確に対応しながら、現在進行中の事業につきましては引き続き健全な財政運営を見定め、メリハリをつけながら推進し、「活力ある住み良い町」、「産業の潤う町」、「子どもたちが胸を張って誇れる町」の具現化を目指してまいりますので、町民の皆様のご理解とご協力を切にお願い申し上げますとともに、本年もお健やかで、お幸せに暮らせるよう心からご祈念申し上げ、新年のごあいさつに代えさせていただきます。