有珠山とこれまでの噴火
有珠山は、長い休止期間の後に噴火活動を再開した1663年噴火から2000年の噴火まで、8回の噴火をくり返してきました。そして、噴火の場所や規模、災害の種類も色々な場合はありました。たとえば、有史最大の火砕流といわれる文政の噴火では、山頂で発生した火砕流・火砕サージが全方向に広く拡がりました。昭和新山のような山麓噴火の場合でも火砕サージが発生し、その範囲は1.5km程度でした。また、降灰の分布も噴出物の量や気象の状況によって変化しています。【有珠山の噴火史】
外輪山形成期 | |||
年代 | 1.5万年~2万年前 | 7000~8000年前 | |
噴火地点 | 山頂 | 東麓 | 山頂 |
噴出物など | 有珠外輪山溶岩 | ドンコロ山スコリア | 善光寺岩屑なだれ |
生じた山体 | 成層火山 | ドンコロ山スコリア丘 | 外輪山(山体崩壊) |
災害その他 | 流れ山地形、津波 |
休止(数千年)
新期活動 | |||
年代/休止期間 | 1663(寛文3年)/106年 | ||
前兆地震 継続期間 |
3日 | 噴火地点 | 山頂 |
噴出物など | 降下軽石 降下火山灰・火砕サージ |
生じた山体 | 小有珠 溶岩ドーム |
災害その他 | 多量の火砕物降下で家屋埋積・焼失・死者5名 | ||
年代/休止期間 | 1769(明和5年)/52年 | ||
前兆地震 継続期間 |
地震発生期間不明 | 噴火地点 | 山頂 |
噴出物など | 降下軽石 降下火山灰・明和火砕流 |
生じた山体 | ? |
災害その他 | 火砕流で南東麓の家屋火災 | ||
年代/休止期間 | 1822(文政5年)/31年 | ||
前兆地震 継続期間 |
3日 | 噴火地点 | 山頂 |
噴出物など | 降下軽石 降下火山灰・文政火砕流 |
生じた山体 | オガリ山 潜在ドーム |
災害その他 | 火砕流で南西麓の1集落全焼、死者82名、負傷者多数、集落移転 | ||
年代/休止期間 | 1853(嘉永6年)/57年 | ||
前兆地震 継続期間 |
10日 | 噴火地点 | 山頂 |
噴出物など | 降下軽石 降下火山灰・嘉永火砕流 |
生じた山体 | 大有珠 潜在ドーム |
災害その他 | 住民避難、赤く光るドーム出現 | ||
年代/休止期間 | 1910(明治43年)/33年 | ||
前兆地震 継続期間 |
6日 | 噴火地点 | 北麓 |
噴出物など | 降下火山灰・火口噴出型熱泥流 | 生じた山体 | 明治新山 潜在ドーム |
災害その他 | 火砕物降下・地殻変動・泥流で市街地・耕地・山林等に被害、降雨型出い流で死者・行方不明者3名 | ||
年代/休止期間 | 1943-45(昭和18-20年)/32年 | ||
前兆地震 継続期間 |
6ヶ月 | 噴火地点 | 東麓 |
噴出物など | 降下火山灰・火砕サージ | 生じた山体 | 昭和新山 潜在ドーム |
災害その他 | 火砕物降下・地殻変動で災害、幼児1名窒息死 | ||
年代/休止期間 | 1977-78(昭和52-53年)/22年 | ||
前兆地震 継続期間 |
約32時間 | 噴火地点 | 山頂 |
噴出物など | 降下軽石・火山灰 降雨型泥流・火砕サージ |
生じた山体 | 有珠新山 潜在ドーム |
災害その他 | 火砕物降下・地殻変動・泥流で市街地・耕地・山林等に被害、降雨型泥流で死者・行方不明者3名 | ||
年代/休止期間 | 2000(平成12)/ | ||
前兆地震 継続期間 |
約4日 | 噴火地点 | 西麓 |
噴出物など | 降下軽石・火山灰 火口噴出型熱泥流・火砕サージ |
生じた山体 | 潜在ドーム |
災害その他 | 地殻変動、火口噴出型熱泥流、噴石により国道230号、道央道、鉄道、市街地建物に被害、死者・負傷者なし |
有珠山の噴火と避難のポイント
山麓噴火
2000年噴火は山麓で発生しました。幸いにも今回の噴火では火砕流による大きな被害はありませんでしたが、山麓噴火でも被害が人家までおよぶような火砕流が発生する可能性があります。また、噴火口が次々と移動することが起こります。洞爺湖岸周辺や水中(湖底)で噴火が起こった場合、マグマが水と接触して激しい爆発が起きて、火砕サージが発生することもあります。
山頂噴火
一方山頂噴火では、噴火が始まって早い時期に有珠山の四方に向かって同時に火砕流が流れ下ることもあります。噴火が山頂で起こるかどこで起こるかわからないので、2000年噴火のときと同じように、まずは噴火が始まる前に避難することが絶対に必要です。大規模な火砕流や岩屑なだれが洞爺湖に流れ込んだり、大地震や湖岸の大崩壊が起こった場合、あるいは湖底で激しい噴火が発生した場合には、湖岸一帯を津波が襲うことも忘れないで下さい。
日常生活での備え
- 大きな噴火になったら避難場所から別の安全な避難場所へ移動することもあります。身元を確認するカードなどを作っておきましょう。
- 日頃から防災訓練をしっかりやって、いざというときに自分のとるべき行動を身につけておくようにしましょう。
- 有珠山での地震多発は必ず噴火につながると考えて、早めに避難の準備をすることが大事です。役場からの正しい情報と指事を聞いてください。避難が遅くなると車が渋滞することがあります。焦らず、的確な行動をとりましょう。
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政策財政課交通防災係
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